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みんなで大盛り上がりのトランプ。負けたら罰ゲーム。このあとの買い出しで荷物持ち。珍しく、あのククールが負けた。本人は肩をすくめて、「こういう日もあるさ」と気取っていたけれど。 **「買い出しってお前ら、なんで今日に限って道具も装備も食い物もいっしょくたにすんだよ!」「だってこの街なんでも揃ってて便利だし」「他意はないでげすよ」「ハイ文句言わない。これもよろしくね、荷物持ちさん」両手に大きな紙袋を3つも抱えたククールの非難に、手ブラの3人はおかしそうに笑った。さらにゼシカが差し出した小さめの袋に、ククールはうんざりと眉をひそめる。「いやゼシカさんこれ以上無理だから。…って無理やり乗せるなよ!こら!」「うるさいわね、男なんだからそれくらいしっかり持ちなさいよ。それとも色男は力仕事が苦手だとか言うつもり?」「別に重いなんて言ってねぇだろ、これくらい余裕だっつーの。ただ…」「あら、じゃあまだ買い物しても大丈夫よね?エイト、角のお店に寄ってくれる?見たい洋服があるの」「ちょ、お前なぁ!」いつも通りのやり取りに笑いながら、仲間たちは普段よりも明らかに多めの買い物をした。途中からはゼシカがククールを引き連れてあちこちで買い物をしている間、エイトとヤンガスは喫茶店で休んでいたりしたのだが。日も暮れかけた帰り道。ククールの腕にはさっきよりもさらに幾つかの紙袋がかけられ、抱えた袋も嵩を増していた。少し先の前方に、エイトとヤンガスの後ろ姿がある。ククールとゼシカは夕焼けに照らされる街中を、並んでのんびり歩いていた。「……あ、ククール、ちょっとしゃがんで」ゼシカがそう言ってククールの服の裾を引っ張り、ククールは立ち止まってゼシカの方に重心を傾けた。彼が腕に抱えた紙袋のうちの一つを、ゼシカは背伸びしながらのぞき込み、手を突っ込む。袋の中から探し出したのは、開け口をきゅっとリボンでしばってある可愛らしい包み。「なんだそれ」「お菓子の詰め合わせ」嬉しそうなゼシカの返事に、うぇ、とククールが不満の呻きをもらす。「お前…人に荷物持たせるのにそんないらねーもんまで買ってんなよ…」「こんなの全然たいした重さじゃないでしょ。それにいらなくないもん」「いらねーよ。そういうのを無駄買いって言うの」「いるの。なによ、じゃあククールにはあげない」「あーごめんなさいすみません、やっぱりいります無駄じゃないです甘いもの」その調子の良さに呆れながらも、パクリとお菓子を食べながらゼシカが尋ねる。「何がいいの?キャンディ?クッキー?チョコ?」「ん~チョコ」「はい」少ししゃがんで首を突き出すククールの口の中に、ゼシカはチョコレートを入れてあげる。もぐもぐと咀嚼して、は~、と息。「うめ。やっぱこんな大荷物持たされて疲れてたんだなオレ。かわいそう」「勝負に負けた人が何言ったってはじまらないわよ」そっけないことを言いながらもゼシカは楽しげに笑って、大きなクッキーを半分に割り、ククールの口に突っ込んだ。そしてもう半分を自分で食べる。「おいしー」幸せそうに両頬を抑えるゼシカを見て、ククールも微笑んでしまう。「そりゃよかった」「次は何がいい?」「オレはもういいや。ゼシカ好きなだけ食べろよ」「えっ、これだけでいいの?もういらないの?」「甘いものは今ので十分」「男の人って信じらんない…」「常に甘いもん持ち歩いてる女の子の方がオレからするとよくわかんねぇけどなぁ…」ゼシカのウェストポーチの中に、常にチョコや飴が入っていることをククールは知っている。ぶつぶつと何か言いながらキャンディを口に入れるゼシカに、「甘いものはいいけど、なんかしょっぱいもの、買ってない?」「しょっぱい?フライドポテトは?ヤンガスが買ってたと思うけど」「なんでもいい」再び袋を探って目的のものを探し出すと、ゼシカはポテトの箱を持って、その一本をククールの口に運んだ。ゼシカが口元に近付けるたびに、あーと口を開いてそれを食べるククール。「飲み物ある?」「お水なら」荷物を両手いっぱいに抱えた彼に、食べ物を食べさせてあげる彼女。その光景が道行く人々の目にどう映っているかなんて、本人たちにはどうでもいいことだ。水筒のコップに水を注いで飲ませ、ポテトと言われればそれを食べさせる。しばらくそれを繰り返し、ゼシカは はた、と気付く。「…なんだかアンタ、いいご身分になってない?」「仕方ねぇだろ、両手ふさがってんだから」それはそうだけど、とゼシカは口唇をとがらす。ククールの罰ゲームなのに、これじゃまるで。「…私がククールのために奉仕してるみたいじゃない」ゼシカがふてくされて睨むと、ククールは最高の笑みでにっこり笑った。「わたくしはお嬢様の大切なお荷物をお預かりしている身ですので、それは大きな誤解というものです」「だったら自分で食べなさいよっ」「こんだけ荷物持たせといてどの口が言うかなーそんなこと」うぐう、と言葉を詰まらせるゼシカが可愛くて、ククールは笑いが抑えきれない。「あーうまかった。ごっそさん」「まったく夕飯前なのにあんなに食べちゃって…。お腹ふくれない?」「全然?むしろデザートとか欲しい気分」「…ほんと信じらんない」「なぁ、さっきのお菓子くれよ」「ダーメ。これからご飯食べるんだから、我慢しなさい」「菓子の一つや二つで腹なんかふくれねぇって」「ダメ」問答を続けるが、こうなった時のゼシカは断固としてククールのわがままを通さない。そこらへんの「しつけ」に関しては厳しいゼシカだが、いい年した大人の彼が甘いものをねだってブツクサと文句を言う様がなんだか無性におかしくて、思わず口元がゆるむ。「…ったくよー。ゼシカって時々、変に意固地っつーか態度デカイっつーか…」「はいはい。そんなに言うなら一つだけ、あげてもいいわよ」わざとらしくため息をついてゼシカが譲歩する。「え、マジで?珍しい」「そうよ。特別なんだから、ちゃんと味わって食べなさい」ゼシカが包みの中から取り出したお菓子の一つを手に取る。ククールは愛想よく返事をしながら、今まで通り、ゼシカの方に身をかがめた。抱えた荷物がこぼれそうだ。「もっと、しゃがんで」「もっとって、これ以上は…わっ」いきなり強引にマントの裾を引っ張られ、ククールの体が思い切りゼシカの方にかたむく。荷物が落ちる―――、咄嗟にそう考えたのと、同時。ククールの頬に、ゼシカの口唇がふわりと触れた。ドサドサドサッ。大きな荷物が音を立てて地面に落ちる間、ククールは石のように硬直していた。そして、素早く離れたゼシカが数歩先まで走って、ふいに振り返り、「――――間食もほどほどにしなさいよね!」そう叫んだのを聞いた時も、まだ硬直していた。彼女の姿が先を歩くエイト達に追いつき、さらにその道の向こうに姿を消してから。ようやくククールは口元を手で覆い、ゆっくりと天を仰いだ。「……………………間食なんかじゃねぇよ」地面に転がる荷物の存在に気付き、それを拾うため怠惰にしゃがみこむ。上の空でそれらを拾っていると、さっきゼシカが手に持っていたチョコレートが、まぎれて落ちていた。それを拾って、包みを開いて、口に入れる。甘い、とククールは呟いて、小さく笑った。そっと頬を撫でながら。それはチョコレートより、キャンディより、何よりも甘い。この世で一番甘いもの。2人の頬が赤く見えるのは、夕焼けのせいだけじゃ、きっとない。 **
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ククールが死んだ―――そんな知らせが届いたのは、彼がゴルドに発った翌日のことだった。「…ゼシカ、とりあえず僕たちは起きてるから。何か知らせが入ったらすぐに知らせるから、君はちゃんと寝るんだよ」小さな部屋の真ん中で椅子にぽつんと腰かけ、テーブルに重ねた手を乗せたまま身じろぎひとつしないゼシカに、エイトは小さくため息をつくしかなかった。すぐに闇が訪れて、この部屋は真っ暗になるだろう。エイトはランプに火を点けて、扉を閉めた。―――ゼシカの瞳には、何も映っていなかった。マルチェロとの戦いの後。しばらくの間、ククールは心を整理する時間を必要とした。仕方のないことだった。時だけがすべてを解決すると本人も仲間たちもすでに知っていたから、時折上の空になる自分に苦笑したり、仲間にさりげなく背中を叩いてもらったりしながら、少しずつククールは最後の決戦に挑むための気概を取り戻し始めていた。そしてその間、彼のそばにずっと寄り添えたのは、唯一ゼシカだけだった。ククールが望んだわけではない。ゼシカもそれを強要したわけではない。頻繁に言葉を交わすことも、特別に触れ合うこともなく、ただ、そばにいた。ただの仲間ではなく、ましてや恋人同士なんかじゃ決してない。かけがえのない存在。今はただそれだけで、2人は満足だった。「…あんな大惨事起こしやがって、あの…馬鹿」ククールが無表情に呟いたのをゼシカは聞く。「…どれだけの人が犠牲になったと思ってんだ…」ゼシカはそっと彼に近寄り、テーブルの前から彼の顔をのぞきこんだ。「行ってみたら?ゴルドに」「…なんで?」「今でもたくさんの人がケガに苦しんでるのよ。アンタの回復魔法、こういう時にこそ使うべきなんじゃないの?」目からうろこが落ちたように、ククールは彼女の顔をまじまじと見つめた。「気分転換にもなるでしょ。行って、あの人がしでかしたこと、もう一度しっかり心に刻み込んでくればいいわ。 …二度と後悔しないように、ね」次の日、ククールはエイトに決戦までの日をもう少しだけ伸ばしてほしいと頼み、ゴルドに向かった。ゼシカは共に行かなかった。お互いそんなやり取りもせず。「若くて可愛い女の子だけじゃなくて、ちゃんと老若男女分け隔てなく治療するのよ」「おっと、釘刺されといてよかったぜ。まさしくそれが目的になるとこだった。さすがゼシカ」「バカ。……いってらっしゃい。アンタも、十分気をつけてね」「あぁ。行ってくる」それだけのそっけない別れ。それだけで全てが通じ合っていた。ゴルドで突然地盤が裂け、その場にいたククールが裂け目に飲み込まれた――そんな知らせが入ってきた一行は真相を確かめるためすぐに現地に向かったが、危険すぎるためゴルド一帯はすでに全面立ち入り禁止になっており、関係者のエイト達も例外なく締め出された。ただ、回復魔法でケガ人を癒し続けていたククールという青年が巨大な大地の裂け目に落ちたというのは事実であり、捜索救出に全力をあげている…ということだけしか知らされなかった。もちろん反発――とくにゼシカはとにかく中に入れろと本気で抗議したが、これ以上“犠牲者”を増やすわけにはいかないと、相手も絶対に譲らなかった。仲間達には、それ以上どうすることもできなかった。自ら確かめることも助けに行くこともできないのなら、あとは無事を祈るしかない。「絶対にそんなのウソよ、アイツのことだもの生きてるにきまってるわ、そのうち何事もなかったようにひょっこり帰ってきて、へらへら笑って適当に謝るのよ、あぁもう中に入れたら私が直接行って探してきてやるのに!そして思いっきり殴ってやるんだから、ホント世話ばっかりかけて…ッ!!」ずっと、ずっと、飽きることなくククールの悪口を言い続けながら、ゼシカはゴルドの壊れた入口に張られたバリケードの前から動かなかった。何時間も居座り続け、陽が落ちてきた頃にはゼシカはもう一言も発さず、拳を握りしめてじっと地面をみつめるばかりだった。エイト達が半ば強引に彼女を宿に連れ帰る時、周囲のヤジ馬たちは口々に、落ちた青年の生還は絶望的だろうと囁きあっていた――その日から、長い長い数日が過ぎた。ただ待ち続けることの辛さに、全員が精神の限界を感じ始めていた。中でも。「…ゼシカが、このままじゃもたないよ。薬でも飲ませて無理やりにでも眠らせないと」「ほとんど飲まず食わずでろくに寝もしねぇんじゃあ、あんな細っこい身体すぐにイカレちまいやすぜ…」エイトとヤンガスはため息をつく。何もできないというのはこうも苦しいものか。それは、彼女に対しても同じだった。エイトは血が出るほどに拳を握りしめ、床を見つめて呟く。「――…死体もないんじゃ、信じられるわけないだろ…バカククール…!!」信じられないのではなく、信じたくない。彼は絶対に生きていると信じられるのは、今ここに彼の姿がないからこそ。それだけの根拠のない希望にすがるしかないのだ。大地の裂け目に落ちたとすれば、亡きがらなど見つかるわけはない…エイトは消しても消しても浮かんでくるその思考を打ち消し、じっと扉を見つめた。今にも「ひょっこりと」あの銀髪の色男が帰ってきそうな気がして。 *柄にもなく緊張しながら、ゼシカがいると言われた部屋の扉をコンコンと叩く。返事はない。もう一度だけ叩いてしばらく待ち、静かに扉を開いた。あまりにも暗い部屋。今夜は月すら出ていない。窓と家具の形がぼんやりとわかる程度で、人の気配すら感じられない。本当にいるのだろうか?「…ゼシカ?」緊張のためか妙にかすれた声が出る。手探りでランプを見つけ出し火を点けると、ようやく室内が見渡せた。…ゼシカは、居た。窓際の椅子に座り、テーブルに突っ伏して身動ぎ一つしないで。眠っているわけじゃないのは、どこも弛緩していない身体の線を見れば一目瞭然だった。こわばった細い肩。交差した腕に食い込む震える指。テーブルの隅には追いやられた食事。いつもの元気なツインテールではなく、乱れた長い髪が机上に広がっていた。さっきの呼びかけは聞こえなかったのだろうか。「………ゼシカ」反応は、ない。足音を立てるのもなぜかはばかられ、躊躇しながらも、ゆっくりゆっくりと、彼女の背後に立つ。「……ゼシカ」今度はもう少しはっきりと、本人に対して呼びかける。彼女が伏せた頭を小さく横に振った気がした。…聞こえている。「ゼシカ…ごめん。心配かけた」もっと近寄り少しかがんでみるが、やっぱりゼシカは顔を上げない。「…なぁ、怒ってんのか?謝るから、顔、見せてくれよ…」急激に不安になり懇願するように告げると、今度こそゼシカは大きく首を振ってますます小さく身を縮こませ、己の腕の中に顔を埋めた。決して顔をあげようとはしない。途方に暮れ、しゃがみこみ床に膝をついて、うつ伏せたままの彼女を見上げた。―――意を決し、剥き出しの細い肩に手を伸ばす。どうしてこんなに緊張するのか自分でもわからない。きっと、彼女が今にもバラバラに壊れてしまいそうに見えるからだ…指先が、肩に触れた。冷たく冷え切った肩。ゼシカが確かにピクリと反応する。「ゼシカ」祈りを込めて名を呼びながら、勢いのままに力を込めて肩を揺すった。―――その瞬間。ガバッ!!と。唐突に顔をあげたゼシカの目と、彼の目が間近でぶつかった。「―――――ッ…。……わるい。驚かせたか…?」「…………」慌てて肩から手をどけ、目を見開いて無表情に自分を見つめるゼシカを見つめ返す。ゼシカは妙なほどじっと、ひざまずき自分を見上げる彼の顔を凝視した。やたらと長く感じられる沈黙が過ぎて、やがてゼシカがポツリと言葉を落とした。「……………………ク…ル?」「…あぁ。ちゃんと帰ってきたぜ」「……ククー…ル…?」「ごめんな。心配かけたよな。でもなんとか、生きてるからさ、この通り」「…………ぅ、そ」「ウソじゃねぇよ」ゼシカの目に映る“ククール”が、困ったように笑う。そしてゼシカに向かって大きく腕を広げた。「なんなら、抱きついて確かめてみる?オレならいつでも大歓げ――…うわっ!」その言葉を待たず、ゼシカは椅子から飛び降りるようにククールの頭に抱きついた。ククールは尻もちをつきながらほとんど押し倒されるような態勢で、ゼシカの身体を受け止める。小さな身体は冷たかった。そして震えていた。ゼシカはククールの胸に顔をうずめて、彼の名を何度も呼ぶ。そしてククールはそのひとつひとつに答えた。やがて叫びは嗚咽に変わり、涙がククールのシャツをまたたくまに濡らしていく。「…っひ、あ、く、ククール…ッ、クク、クク…ッ!!ううぅうぅ…っ!…うわぁああ…っ!!」「ゼシカ…ごめん、ゼシカ…ごめんな。…ごめんな…」彼女の激しい嘆きに驚きながら、それをこの上なく嬉しく感じ、ククールは思いのままに力を込めれば今にも壊れてしまいそうな小さく細いその身体を、できうる限りの優しさで抱きしめた。冷たい床に座り込んだまま、2人は気のすむまでそうして抱き合い、お互いの存在を確かめあっていた。 *少しゼシカが落ち着いたのを確かめて、ククールは彼女の頬に手をかけて顔を上げようとした。しかし、ゼシカはかたくなにククールの胸に顔を押し付けたまま、シャツを握る指を離そうとしない。「…ゼシカさん。顔、見たいんですけど」困ったように言ってみるが、思った通り無言で顔を横に振るばかりだ。そりゃあまぁ、これだけ泣きじゃくったわけだから、ひどい顔であることは確かだろう。無理強いはすまい。ゼシカのかすれた声がくぐもってククールの耳にかろうじて届く。「……ほんと、に、…帰ってきたの…?」「あぁ。ここにいるのは正真正銘本物のカリスマ騎士ククール様だぜ?」「ほんとに…?」「ほんと」「……」何がそんなに不安なのか。ゼシカはククールの背中に腕を回してぎゅっと力を込める。ククールは、さっきからあまりに意外なゼシカの行動に思わず赤面してしまう。普段の彼女からはとても想像できない、まるで小さな子供のようだ。しかしそれほどに心配させてしまったのかと思うとたまらず、ククールは彼女の丸い後頭部を優しく撫でた。「もう安心していいから…本当にごめんな…」また、胸の中で小さな嗚咽が聞こえ始める。そしてそれが聞こえなくなった頃、ククールが少し身体を離してみると、ゼシカは彼に抱きついたまま眠っていた。もしかしたら、気が抜けて気を失ったに近いのかもしれない。それくらい彼女の顔は疲れていた…「……ごめんな、ゼシカ」胸が痛み、心から謝罪して、軽い身体を静かに抱きあげベッドに寝かせる。かわいそうに。ろくに食べもせず、眠れもしなかったのだろうと容易に想像がついた。こんなにも想われていることが、ククールには歯がゆかった。信じられない気持ちだった。それでも、彼女の存在を神に感謝せずにはいられなかった。―――ふと、ゼシカの握りしめられた手の中に鈍く光るものを見つける。そっと指を開かせると、そこにあったのは“騎士団の指輪”だった。ククールは苦しみにも似た表情で指輪ごとその手を握った。何も、言葉にできなかった。広がる赤い髪をなでつけ、前髪をよけると、おでこにキスをする。頬に残る涙の跡が痛々しくて、そこにも口唇を這わせ、塩味のするそれを…舐めとる。深く考えないまま口唇にも口付けようとして、ハッと留まった。(…どさくさにまぎれて)自分自身にあきれ、どうせキスするなら起きてる時がいい、と言い訳して、ククールは立ちあがった。これ以上こうしていたら、無防備に眠る彼女に何をしでかすかわかったもんじゃない。置いていくのは少し躊躇したが、ククールは引かれる後ろ髪を振り切って、静かに部屋を出た。 もしも君が死んだら 後編
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潮時・翌朝の時系列のククゼシ ※開発未満1※・※開発未満2※・※開発未満3※・※開発未満4※・※開発未満5※・※開発未満6※ ククールは慎重に様子をうかがいつつ、口唇を合わせたままそっと、彼女の下腹部で重ね合わせたお互いの指を、濡れた裂け目の中に侵入させた…「―――ッッん!!」急激にもたらされた異物感に、ゼシカは驚いて身体を跳ねさせる。しかしククールの口付けはなにごともないように優しく穏やかに続けられるので、ゼシカはもうどこに気を置けばいいのかわからなくて、混乱するものの抵抗する気力を奪われていく。ククールの指が、器用にゼシカと自分の中指を蠢かせ内側の粘膜を優しく擦ると、腰が自然に浮いた。強くないゆるやかな快感がじわりと沸き上がる。息が上がって、口づけが苦しい。「…気持ちいい?」 口唇の合間でククールが囁くと、ゼシカは息を大きく吸いながら、くたりと頷く。素直なゼシカにククールは微笑むと、口づけを、今度は乳房へと移動させた。「あっ…ん」色づく部分を大きく含んで甘噛みされると、痺れるような快感が走る。感じることに没頭しかけているゼシカを、ククールの低い声がすぐに引き戻した。「ゼシカ…こっち」「…ぇ…?」ずっとゼシカの体内でゆるやかに快感を生み出し続けていた指が、ゼシカのお腹側の性感帯を力をこめて撫であげると、ゼシカは声を上げ、否応なしにそこを意識せざるを得なくなる。自分の信じられない場所に侵入している、いやらしい自分自身の指の存在を。「お前の中、どんな風か教えて?」「…ヤッ、ア、ぁ…あ、…。……………あつ…ぃ…」「…濡れてる?」湿った温度と、からみつく粘液を、指先にじっとりと感じながら、ゼシカは頷く。ククールが、再びゼシカの胸を愛撫しだした。強い力で先端を抓られると、「ひゃ、ぅ…ッ!」全身が跳ね、胸にもたらされたはずの刺激が下半身に襲い来る。瞬間的に飲み込んでいる指が締め付けられたのを感じた。そして新たな体液で指先が濡れたことも。「……きゅ…て、なった…」初めて実感した自分の身体の反応をゼシカはただ素直に口にし、荒い息のままククールをぼんやりと見上げる。ククールは嬉しそうに破顔し、うん、と頷いた。「それが、ゼシカが気持ちいいとオレも気持ちよくなるってこと」「わたしが…きゅってしたら…クク、気持ちいいの…?」「最高に」「……こんなに濡れてるの……、…変じゃ、ない?」「変じゃない。もっと濡らしていいよ。そして、もっとオレを気持ちよくしてくれる?」「うん…」 ククールはゼシカと自分の指をシンクロさせて狭い内側を優しく侵しながら、待ち焦がれるように震える乳房を、空いた手と口で今までよりも若干激しく噛み、揉みしだいた。「あっ、ア…、ククール…ッ、ヤだ…ッ、や、ん…」「指、どんどん締めつけてるの…わかるだろ…?」「アンッ、アッ!ん、ぅん…ッ、……やだ、あっ」「いつもゼシカのココは、オレをこんなにキツく締め付けてるんだぜ…抜かないで、って」身体は官能にゆだねてしまっても、心にわずかに残った羞恥心がククールのあからさまな挑発に反応する。ゼシカが身体を強張らせると、連動するかのように中がきゅううと締まった。「んんん…ッッ、あぁっ、あっ、ヤだ、ヤだぁ、ダメ…!」ゼシカは首を大きく振って乱れた。小さく暴れた拍子にククールに掴まれていた指が離され、自らの体内からズルリと抜け出て力なくシーツに落とされる。ハァハァと息を荒げながら濡れそぼった指先を呆然と見た後、ゼシカは腕を緩慢に持ち上げ、それをククールの口元に近づけた。ククールが優雅にその手を取り、味わうかのように舐めはじめるのを、恍惚とした顔で見つめる。それはどこか、姫君の手甲に誓いの口づけを捧げる騎士のような、ロマンティックな光景にも見えた。騎士はぴちゃりと音を響かせて、姫君が零した 淫らな雫を恭しく舐め取っていく…ゼシカはゾクリと身を震わせた。ただ指を舐めるだけの行為が、このうえなく卑猥に思えて。「…ね、クク…私も、ククールをいっぱい気持ちよくしてあげたいから…だから、…だから、 ―――……もっと私のことも、気持ちよく、して…ほしい…。……私、変なこと言ってる…?」戸惑う瞳がたまらなく愛しく、かわいい。ククールは安心させるように笑い返して、ゆっくりとゼシカに覆いかぶさった。小さくキスして、瞳を合わす。「……仰せのままに」 ※開発未満1※・※開発未満2※・※開発未満3※・※開発未満4※・※開発未満5※・※開発未満6※
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4人で暇つぶしに始めたポーカーは、ククールの全戦連勝。すでに夜も深い。エイトとヤンガスは もう寝ると言って部屋に引き上げてしまった。残ったのは、負けず嫌いのお嬢様と煩悩まみれの僧侶。 「…ゼシカ、お誘いは嬉しいけどオレも正直眠い」 「ダメよ、あと一回!あと一回だけつきあいなさい!さっきはいいところまでいったもの、次はいけるわ」 辟易していたククールの顔に、ふいに浮かぶ悪巧みのほほえみ。 「…いいぜ、じゃああと一回だけ。そのかわり、次でゼシカが勝てなかったら、罰ゲームな」 一瞬きょとんとしたゼシカの顔がわずかに赤らみ、キツくククールをにらみつける。 「…………イヤらしいこと考えてるなら燃やすわよ」 「バカだな、紳士は女性の弱味につけこんで手を出すなんて真似しねぇの。単純にその方が楽しいだろ? 罰は…そうだな。じゃあ、”指文字当て”で」 「なに、それ?」 「手の平とか、…背中とか?見えないところに指で文字書いて、なんて書いてるか当てるのさ」 「ふぅん。………別にいいけど、そんなのが罰ゲームになるの?」 「やってみりゃよくわかる」 「で、なんでククールがそんなに嬉しそうなのよ」 「やってみりゃ、よーくわかるよ」 怪訝そうなゼシカに、こみあげる笑いをおさえつつ、ククールはサラリとそう言った。 ククールはソファに腰掛け、長い足を組んで上半身だけを横に向けた。 そこには、ククールに背中を向けてソファの上に乗っているゼシカ。 準備は万端。そう、もちろん最後の勝負に勝ったのはククールだった。イカサマしたかどうかは このさいどうでもいい。目の前には、最高にいい女の剥き出しの背中が無防備にさらけ出されている。 その肌を目を細めて眺めていると、沈黙に耐えかねたのかゼシカがこちらを小さく振り返った。 怒ったような困ったような表情で、無言でククールを見ている。 この状況で、そんな目で、男を見ない方がいいぜ、お嬢さん。内心で苦笑しながら、 ククールは左手の手袋を口でくわえて、わざとゆっくりと外していく。ゼシカはそれをじっと見ている。 「……じゃ、やるぜ?ゼシカ」 「…………もったいつけてないで早くしなさいよ」 明らかに不安を帯びた声音とは裏腹な強気なお誘いに、ククールは小さく吹き出す。 身を乗り出したククールを見てゼシカは慌てて前に向き直ると、無意識に全身を思い切り強張らせた。 はじめは大胆にではなく、羽根のようにそっと指を辿らせる。 きめ細やかですべらかな肌。日に晒されながらも白く美しい背中。なんの警戒心もなく目の前に 差し出されている、そのうなじや、華奢な肩に、ツインテールの後れ毛。 いつも自分の目の前にありながら、触れたことなどほとんどなかった。 文字なんか書いちゃいない。時折ピクリと反応する背中を愛おしく思いながら、その感触を確かめる。 「………わかった?」 「………わかんない」 深夜の部屋に、男と女が2人きり。聞こえるのはもう何度繰り返されたかわからない囁くような問答と、 小さな息づかいだけ。お互い口にはしないものの、明らかに昼間の自分達とは違う濃密な空気に、 ゼシカは戸惑い、ククールは酔っていた。 姿勢を正して座っていられなくて、ゼシカはいつのまにか少しだけ前のめりになり、 手許のクッションをギュッと握っている。背中がくすぐったくて、熱い。ククールの長い指が 自分の背中を這い回っていると思うと、気持ち悪い…のに。気持ち悪いだけじゃない気が、する…。 ゼシカは意を決して声をあげた。 「く、ククール。………もう、やめましょ」 「……なんで?ゼシカまだ当ててないじゃん」 「だ、だからって。こんなのキリがないわ。罰ゲームだっていうなら、他のものにしていいから… ………これ以上、これは、続けたくない」 「………………………ふぅん」 不満気なククールの呟きにゼシカが背中を向けたまま硬直していると、離れていたククールの指が 再び背中に触れてビクッとしてしまう。指先だけじゃない、手の平全体で触れている。 「じゃあ…………。…………今から書くの、全身全霊で、感じて、当てて」 「え…?」 指が、ことさらにゆっくりとゼシカの背中をすべった。しっかりと意味をもつ言葉をつづりながら。 ゼシカは目を見開いた。ククールは、書き終わると無言のまま返答を待っている。 ゼシカの顔が赤いような気がするのは気のせいだろうか?耳も、背中も、ほんのりと染まっている。 「……………………………………………………わかんない」 長い沈黙の末に、ゼシカはそう答えた。 それを聞いたククールは、心底楽しそうにクックッと笑いながら指を離した。 ゼシカは顔どころか全身を赤く染めてうつむいている。 2人の特別な夜もお開きに近づき、ゼシカがようやく肩の力を抜いてため息をついた時。 「…………!!!!!」 最後の戯れとばかりにゼシカの背中に口づけを落としたククールが、背後で囁いた。 「………今のは、わかる?」 「………………………ッッ、~~~~~バカッッッッ!!!!!!!」
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「内側に跳ね気味。若干癖っ毛。…いや、猫っ毛って言うべきか?」 「…何、冷静にコメント入れてんのよ」 ドルマゲスを倒す目的で集まった筈の一行は今、息抜きも兼ねて不思議な泉に来ていた。 エイトはまず馬姫ことミーティアに泉の水を飲ませ、 トロデ王はそれを微笑ましげに眺めている。 ヤンガスはそれとなく二人の様子を見ながらも、地面に座って寛いでいる。 更にその後ろで腰を掛け、解けかかっていた髪を縛り直そうと 一度髪を解いたゼシカの頭を覗き込みながら、 揶揄するような口調で独り言のように零すククールに、 間髪入れずにゼシカが突っ込んだ。 「まあ、オレとしては別に綺麗なストレートでなくても良いんだけどさ」 突っ込みも然して気にした様子も無く、 胸より下まで伸びたゼシカの長い髪の毛を梳くように撫でた。 すかさずその手の甲をゼシカがパシ、と弾き飛ばすように叩く。 「勝手に触らないでくれる?エイトにギガデインして貰うわよ?」 「おーこわ。エイトは過保護だからなあ」 両腕を広げ、おどけて肩を竦めて見せるククールを、 口に髪ゴムを銜えながらゼシカが睨み付けた。 「どういう意味よそれ。エイトに何か文句でもあるの?」 「いーや別にー」 素っ気無い扱いをされても、ククールは移動しようとはせずに そのままゼシカの斜め後ろに腰を掛け、そっぽを向いて間の抜けた声で答える。 「…あっそ。いいわよ、もう」 何処までも不真面目な態度にゼシカは呆れて嘆息し、 ククールから目を逸らして髪を結び直す。 丁度二つ良い感じに結び終えた所で、 急に後ろから「ねえ」と声を掛けられてゼシカは驚き、思わず腰を浮かせた。 「な、何よ!いきなり話しかけないでよ!」 ドキドキと早鐘を打ち始める胸を押さえて、 首だけ後ろに向け声を掛けた人物を怒鳴り付ける。 けれどそこに見えた表情は、 先程のおどけたものとうって変わって酷く真面目なものだった。 「……なによ、ククー」 「ゼシカは、エイトのことが好きなのか?」 怪訝に思って名前を呼ぶ声を遮られ、唐突に真摯な表情でそんなことを聞かれ、 ゼシカの時間は思考と共に静止した。 数秒後。漸く平静を取り戻したゼシカが口を開く。 「…ば、馬鹿言わないでよ!何であたしがエイトのことなんか…」 「お願い。ちゃんと答えて」 思わず赤くなった頬を隠すように顔を背けた所へ、ククールの顔が近づいた。 ゼシカの顔の少し右側、首筋の辺りにククールの微かな吐息が掛かり、 先程とは違う意味で心臓がドクドクと物凄い勢いで波打つ。 「…ゼシカは、エイトが好きなのか…?」 ククールはそのまま顔をゼシカの、結んだばかりの髪に近づけ、 手袋を嵌めた掌で掬うように押さえて口付けを落とす。 ゼシカは心臓のあまりに早い動きと、間近に感じる気配に眩暈を感じるも、 泉の方から「ゼシカー!ククール!」と自分達を呼ぶエイトの大きな声にハッと我に返った。 瞬間、ゼシカは傍にいたくクールの姿を極力見ないようにして 勢い良く立ちあがり、直ぐ傍の林の中へ猛スピードで逃げ込んだ。 あっと言う間に目の前から消えてしまったゼシカの後ろ姿を呆然と見送って、 ククールは「ハッ」と自嘲的な息を吐く。 どうやら自分の憶測は当たっていたらしい。 図星をさされたのが恥ずかしいからか、悔しいからかはわからないが、 話を続けるのが嫌でゼシカは逃げたのだろう。 「…やっぱり、な。想像はしていたよ」 視線を泉の方へ変えると、 ゼシカの様子を不思議に思って駆け寄って来るエイト達の姿が見える。 「……オレも逃げちまいてえ」 そんな光景を目を細めて眺めながら、周りには聞こえない小さな声でポツリ、 寂しそうに苦しそうにククールは低く呟きを零した。 林に入って少しもしない所にあった大樹に背中を預けるようにして、ゼシカは足を止めた。 ハアハアと荒い呼吸を整えながら、ずるずるとその場に崩れ落ちる。 自分の首筋に、髪の毛に、 まだククールの気配が残っているようで落ち着かなかった。 心臓はまだ頭の中に鼓動の音が聞こえる程に高鳴っているし、 火を噴いてしまいそうな程顔も、身体も熱い。 『エイトのことが好きなのか?』 ククールの真理がわからない。それでも、切なそうに、 真剣な声音で聞いて来た言葉が耳の奥に焼きついて離れなかった。 膝を抱くように蹲って、顔を伏せると酷く泣きたい気分になって、 意味もなく目元を擦った。 「…何よ。そんな所ばっかり鈍感で…馬鹿みたい」 エイトのことが好きか、なんて何処を見てそんなこと言ってんのよ。 落ち着かない呼吸の所為でうまく紡げない言葉の代わりに、心の中で毒づく。 今更、今更過ぎると自分自身に言い聞かせるように繰り返す。 じわりと目尻に濡れた気配を感じて顔を顰めたまま、 立てた自分の膝に押し付けた。 このまま一人で泣いてしまいたい。 今更ククールのことが好きなんて、口が裂けても言える訳がないのに。 un titled2 un titled3 un titled4
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「あ…ククール…だめだってばぁ……」 「なーんで?オレのこと…嫌いか?」 「違うよぉ…でも……誰かに見られちゃうよぉ……」 メタル狩りが終わって宿屋に移動中のゼシカは急に隣を歩くククールに町の城壁に押し付けられた。そしてククール の手はゼシカの服の中へと入れられ胸を弄っている。ゼシカも急な事でわけもわからずククールにされるが ままになっていた。 「やあぁ…ククール……後で…宿屋に着いてからじゃだめなのぉ?…ああ…っん…」 「ダメー。」 ククールはゼシカの天使のローブの裾を捲り上げた。冒険用のベージュのブラが露になる。 「やっぱゼシカはピンクの方が似合うぜ。この色は似合わないかもな。」 「だめだよぉ…見られちゃう……」 「大丈夫だって…オレが隠しといてやるから…」 ククールはブラを上にずらすと露になったゼシカの胸にしゃぶりついた。もう片方の胸もククールは手のひら 全体で隠すように揉みあげる。 「っぁん…だめ…やだぁ……あん…」 「はは、ゼシカの乳首おっきくなってるぜ?感じてるんだろ?」 「…っん……だって…ククールが…やぁん……」 ククールは乳首に舌を這わしたままゼシカのローブの中に手を入れた。そのまま太股を伝い這い上がって いく。 「ゼシカ…大きい声出すなよ。」 「だったらこんなとこで…あんっ」 ククールの指がゼシカのショーツの上からアソコに触れた。割れ目の間をショーツの上から激しく擦って 刺激を与える。薄っすらとショーツが湿り気を帯びてきた。 「っあん……やだぁ…ああん…ククール…だめ…やぁっ…はあん……」 「本当に嫌か?結構気持ちよさそうになってるんだけど。」 ククールの手がゼシカのショーツの端を掴んで膝まで引きずり降ろした。そして愛液が溢れだしているアソコ に指をあてるとゆっくりと擦りはじめた。 「あん……だめだよぉ…っん…いやぁ……ああんっ……」 ククールの肩をつかんで押し寄せる快感に浸るゼシカ。目がとろ~んとしてきて呼吸も荒くなってきている。 ククールは指を愛液で濡らすとアソコにあてがってからゆっくりと挿入した。 「…っんん…あ……っん……やぁ……」 「ゼシカ…声出してもいいぜ…」 「…あん……人がきちゃう…っん…もん……っゃん…」 指を締めつけるゼシカの膣内をククールは激しく突き上げた。その刺激でゼシカの身体が壁際で反り返る。 クチュックチュッっという愛液が指と絡む卑猥な音と共にククールの手が溢れだす愛液でぐちょぐちょに なってきた。 「ククール…装備汚れちゃうよぉ…あんっ…やあぁぁ……」 「そっか…まだ冒険用の装備なんだよな…。」 ククールはゼシカの胸から口を離すと身を屈めて天使のローブの中を確認した。もうアソコから太股にかけては 愛液でビショビショになっているが天使のローブは裾の方が少し濡れているがそれほど目立つ程で はない。 「大丈夫みたいだな。あいつとヤンガスが戻る前に…」 ククールはローブの中に手を入れるとたっぷりと濡れたアソコに指を挿入した。 「ああ…っん……ククール…っん…こんなとこじゃやだぁ……あん…」 「ゼシカこんなに濡れてるのに嫌なのか?うそついちゃだめだ。」 ククールは壁に手をつくと激しくゼシカの膣内を突き上げた。誰も居ない路地の片隅にククールの指とゼシカの愛液が 絡む音が響き渡る。 「あ、ああん…ククール…あ…ん……やあ…」 人に見られるかもしれないという恐怖と興奮からゼシカは早くも達しそうになってきた。自然と自ら 腰を動かし快感を求めだした。 「ああん…もうイっちゃうよぉ…やああん…っあん…あん…あん…」 「ゼシカ…可愛いぜ…」 ククールが更に指の動きを早めると同時にゼシカはククールにギュッと抱きついた。 「やあ…もう…イクぅ…ああん…イクのぉ…やあぁ……ああん…っん!」 ククールはゼシカの膣内からドロッと温かい粘液が溢れ出すのを感じた。急いでローブの中に頭を入れて アソコから溢れている愛液を舌で舐め取った。 「んー…ちょっと汚れたかな…」 「ククール…どうしてこんなことするのぉ…?」 急に町中で犯されわけのわからないゼシカは再び立ち上がったククールに問い掛けた。まだククールの口 の周りにはゼシカの愛液がついてイヤラシク濡れている。 「ねえ…ククールってばぁ…。そうしてこんなことしたのぉ?」 ククールは今までとまるで違う笑顔でゼシカを見た。 「あ?冗談だって!ゼシカびっくりしたか?」 「え?冗談だったのぉ?」 「当たり前だろ、こんなとこで本気でするわけないじゃん!」 「なぁんだぁ、冗談かぁ。あたしびっくりしちゃったぁ。」 「ゼシカ早く行かないとあいつとヤンガス待ってるぜ、きっと。」 「うん!今いくぅ!」 すでに先を歩き出しているククールのもとにゼシカは嬉しそうに駆けていった。 (もう…ククールってばびっくりしちゃったよぉ…。でも…装備どうしよぉ…)
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潮時・翌朝の時系列のククゼシ ※開発未満1※・※開発未満2※・※開発未満3※・※開発未満4※・※開発未満5※・※開発未満6※ 「……ん」うっすらと目を開けると、目の前に眠たげなククールの顔があって、ゼシカの意識はすぅっと上昇した。肘をついた手で顔を支えて寝そべりながら、自分の前髪を指先で意味なく弄んでいる手の平が目に入り、ゼシカはその手を無意識に取る。「…寝てた…?」「いや…そんな時間経ってないよ」ベッドの上で、指をからませ合いながら睦言を交わすこの時間。いつもはだらしなく垂れ下ったククールの表情が今日はなんだかとても疲れて見えて、ゼシカはシーツで胸を隠しつつ体を起こし、上からその顔を覗き込んだ。「どうしたの?疲れた…?」「…疲れたというか…」不機嫌とも取れる表情に、ゼシカは途端に身を竦ませる。性に無知な自分がいつかおかしなことを仕出かさないかと、ゼシカはいつもひそかにビクビクしている…「ゎ、わたし何かした…?」「…………んー…」「ご、ごめんなさい、なに?言って、お願い」取り乱すゼシカに対して今度こそ呆れたようなため息がつかれると、ゼシカは不安に満たされ泣きそうになった。ククールは体を起こし、そんなゼシカのおでこをこづく。「何したってお前…なんつうことをさせるんだって話だろ…このバカ」「え?…えぇ?な、なに?なんの話?」「んっとに…ハァ……。どーすんだよ…オレ、アローザさんに殺されたくねぇぞ…」「へっ?お母さんが、どうし…」突然ククールがゼシカのお腹にシーツの上からピタリと手の平を当て、「どうすんだよ、デキてたら」「―――……え?」「本気で気づいてねぇの?オレ、お前の中に思いっきり出しちゃったんだけど」ゼシカはきょとんと自分のお腹を見る。そしてそのまま、しっかり10秒間。絶叫しながら思い切りベッドに背をぶつけたと思ったら、今度は顔をリンゴのようにして絶句するゼシカに、ククールは根の深いため息をハーーーーーーーッとつく。「マジで無意識かよ…ホント始末におえねぇな…」「やややややだっ、どうしっ、な、なん…ッ、ば、バカッ!!バカバカ!!なにすんのよ!!バカッ!!」「ってなぁ…今さら言われても」「だって!!どうするのよっっ!!ど…っ、どうするのよ…っそんな…っ…ぁ、赤ちゃん、なんて…!」「いやいや別に、一回出したら一回妊娠するってわけじゃないからな?」「……………………。……そ、そっか…」混乱しすぎて涙目になったゼシカだが、冷静に諭され、そうよね、と一瞬落ち着く。そして、「…っで、でも!!違うわよっそうじゃなくてっ…ど、どうして…。…ぃ、いつもは、………ッ、外に、…てくれる、じゃない…!!」「ゼシカのせいだろ。ゼシカがあんなこと言うから」「あんなことって何よ!!私なんにも言ってな…」「“抜かないで”って言ったんだよ、お前」「は?」「オレが抜こうとしたら、お前泣きながら“抜かないで”っておねだりしたんだよ」「~~~~~~ッッ!!」落ち着いて考えると非常に猥褻な話題。ゼシカはこれ以上ないくらい赤面しながら息を詰まらせ反論する。「ッッ、言ってない!!!!!」「言った」「……っだ、だったとしても…!なんでその通りにするのよ…っ、ダメなのわかってたくせに…!」「いーかげんにしろ。あの状況でンなこと言われてそれでも抜ける男なんてこの世にいない」反論も思いつかず押し黙るゼシカと、額に手を当ててため息が止まらないククール。 ゼシカが今にも謝りだしそうなのを察して、ククールは不毛な言い合いだと気づく。「…ごめん、ゼシカは悪くないよな。つーかどう考えてもオレが悪いんだし。気にすんな」うつむくゼシカを片手で抱きよせ、明るい声で、「ま、多分大丈夫だろ。大丈夫じゃなかったらその時はその時だ」「……ごめんなさい」「あーだから謝るなって。悪いのは確実にオレだから」そもそも、ゼシカとの大切なセックスをどうしても無粋な薄ゴム一枚で邪魔されたくないというただの子供じみたワガママで、最初から付けようともしなかった自分が悪いのだ。いずれこうなることは目に見えていたのに。でもゼシカはククールが最も安全な選択肢を最初から捨てていたという事実に気づいていないので納得できない。ククールの胸に顔を埋めて、小さく首を振る。「……でも、…もし、大丈夫じゃなかったら…わたし」「だからそれは」「わたし、…ククールの邪魔になるわ…」「バカなこと言うな。…謝るのはオレだよ。アルバート家の大切な後継ぎのお前に、取り返しのつかないことをしでかしたことになる」「それなら一緒よ。…私は、ククールの自由な未来を…奪いたくないもの…」「別に、オレの方はノープロブレムだぜ?子供ができたって旅は続けられる」ゼシカが少し驚いて顔を上げると、ククールは片目をつむって見せた。「2人旅が3人旅になるのも、悪くないだろ?」目を丸くして少し困った顔になる。それから小さく笑って「バカ」と付け足し、ゼシカの方からククールに口付けた。「…本気で言ってくれてるの?」「じゃなかったら最初から絶対中になんか出さねぇよ。だから多分本当は、…それを望んでたんだ」「……私も…ククールの赤ちゃん、ほしい……――んっ」口唇から滑り落ちるように告げられたお互いの情熱的な告白に煽られ、触れ合うだけのキスがすぐに深いものに変わる。夢中でお互いの身体に腕を回して、貪り合った。ゼシカがキスに酔いしれているうちに、ククールの指先が背中をゆっくりと辿り、徐々に下降していく。お尻の割れ目をぬるりとなぞられて、ゼシカは一瞬にして我に返った。「…ッなにしてんのよ」「だってお前が赤ちゃん欲しいって言うから、さっそく子作りの続きを」「誰が“今の”話してるのよバカッッ!!!」思い切り突き飛ばされてもヘラヘラしたままのバカをふくれっ面で睨みつけ、そしてそんな風に開き直れない自分を少しだけ恨んだりもする。…自分達はたった今、永遠の愛の誓いを交わしたも同じだというのに。それを認められない、どこまでも素直じゃない自分が憎い。そしてそれをすっかり認めてご満悦なこの男が、憎らしい。子供みたいに喜んで。…バカ。自嘲気味なため息はただの照れ隠しだと、ゼシカも、ククールもわかっている。ゼシカは虚勢を張るのを諦める。明日になればどうせ自分はまた素直じゃない可愛くないコに戻ってしまうだろうけれど、今は意地を張ることがとてもバカらしく感じた。ホントに、バカみたい。私たち。また抱き合って、飽きずにキスして、肌のあたたかさを全身で交わし合う。こんなにもお互いが好きで、嬉しくて、楽しくて、みっともないほどに溺れて、もうどうしようもない。でもこれが「しあわせ」だと言うのなら、そうなんだろう。だってそれ以外にこの気持ちを表す言葉が思い浮かばないもの。 「…バカ」「うん」 「バカ……」「ゼシカ、愛してる」「……わたしも」「私も、なに?」「………。…なんでアンタっていつもいつもそう…」見つめてくるククールの真摯な蒼い瞳に、ゼシカは魅入られた。そして最後の羞恥心と強情を、諦めたようにあっさりと捨て去る。「―――愛してるわ、ククール。…だいすきよ…」言い終えないうちに口唇をふさがれ、シーツの海に倒れこむ。ククールの心底嬉しそうな顔に、ゼシカは苦笑した。ふと思い出し、重なった2人の身体の間に手を滑り込ませ自分のお腹に手を当てると、ククールが小首を傾げる。ゼシカはふわりと微笑む。告白大会の延長のつもりで、ちょっぴり頬を染め、勇気を出して言ってみる。「……………またいつか、たくさん出して、…ね?」もちろんそれは、大胆な愛の告白以外のなにものでもなかった。それ以外に意味を持たせたつもりは、とりあえずゼシカにはない。ククールの下半身がどう受け取ったかは別として、だ。今日何度目か知れない強烈な誘惑スキルパンチを受け、ククールは無言で身悶える。「……~~~ッお前なぁ」「なぁに?…ふぁ…あぁ疲れた…なんだか一気に眠気が…」「いやいやお前、今のはさすがに」「ホントにいきなり来た…ダメ、もう寝ちゃう…」「ちょ、お前、待て待てコラ…」ごそごそと身体を丸めはじめたゼシカに、ククールはなぜか焦って声をかける、が。「――クク!」「はいっ」「…………寒い」「…はい」お姫様のご指名が飛ぶとククールは条件反射でピシッと返事を返し、言われるままに剥き出しの冷えた肩に手を回して胸の中に納めてやった。そしてまもなくゼシカからは穏やかな呼吸が聞こえ始める。取り残されるのは途方に暮れた紳士ひとり。腕の中でスヤスヤ眠っているこの子供がさっきまでベッドの中で男を煽りまくっていた天下のお色気誘惑マスターだなどとは、すでに信じられないような幼女の寝顔だった。ククールはため息をつく。そして、かすかに隆起する彼女の薄いお腹にそっと手を当てた。……どんな未来がそこにあったとしても、オレはもう何一つ後悔しないだろう、と。後悔と、惰性と、諦観だけで紡いできたこれまでの人生を、すでに懐かしく振り返ることができそうなほどの充足感。乾いた心を外側から包み込み、内側から満たしてくれたこの存在を、死ぬまでこの腕から手放さないと、誓った。そしてゼシカも、オレとの未来を望んでくれた。この現実を「しあわせ」だとしか言い表せない。願わくば彼女もそう思っていてほしい。「――――…ありがとう、ゼシカ」明日もあさってもその先もずっと、貴方がしあわせでありますように。ゼシカの額に口づけを落として、ククールも安らぎに満ちた眠りについた。 *「いい加減に起きなさいよこの寝ぼすけ!!もうお昼になるわよ!?」「んんん…あー…もういいじゃんもうちょっと寝かせろよ…」「もう十分すぎるほど寝てるでしょうが!情けないわね」「…お前がこんだけ疲れさせたんだろー…」「は?なによそれ」「昨日お前が無駄にエロいから、オレもエッチ頑張っちゃたんだろ…あ痛っ」「自分のスケベを棚にあげて勝手なこと言ってるんじゃないわよっ!バカッ!」確かに、すでに身支度をしっかり整えて毅然としているゼシカからは、昨夜の妖艶で乱れた姿など想像もつかない。太陽が昇っている間のゼシカには、月を背負うククールは絶対にかなわないのだ。ククールに反撃が許されるのは夜の帳が降りてから…自分達は、そういう風にできているらしい。ならば逆らうのも無駄というもの。ククールは怠惰に起き上がり、プリプリしながらコーヒーを淹れているゼシカに後ろから抱きついた。「おはようございます」「…オソよう」カップを受け取りながら、もう片方の手でゼシカのお腹に手を当てる。「…膨らんでないな」「当たり前でしょ!」「まだしばらくは、2人旅、楽しもうな」ククールはそっと耳元に囁く。ゼシカはうつむき、頬を赤くして、バカ、とだけ。そして肩越しに振り返り、怒ったような表情のままククールを見上げた。ククールは速やかにご要望に応じ、そっとおはようのキスを交わす。今日も2人だけの旅がはじまる。誰にも邪魔されない、しあわせに満ちた一日が。 ※開発未満1※・※開発未満2※・※開発未満3※・※開発未満4※・※開発未満5※・※開発未満6※
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ククール×ゼシカ@Wiki ※最近手をつけていられなくてwikiの更新を大分長い間ストップさせてしまっていてすみません。 素晴らしい作品は今もククゼシスレに続々と投下されているので、少しずつまた保管を再開していけたらと思っています。 2011.11.01 wiki管理人 ここはDQ8のククールとゼシカのカップリングを推すまとめサイトです。 2ちゃんねるのスレを中心にまとめております。 現行スレはhttp //find.2ch.net/?STR=%A5%AF%A5%AF%A1%BC%A5%EB%A1%DF%A5%BC%A5%B7%A5%AB COUNT=50 TYPE=TITLE BBS=ALLから検索できます。 || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| || クク×ゼシ Λ_Λ いいですね。 || \ (゚ー゚*) ||________⊂⊂ | ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ | ̄ ̄ ̄ ̄| ( ∧ ∧ ( ∧ ∧ ( ∧ ∧ | | ~(_( ∧ ∧ __( ∧ ∧__( ∧ ∧ ̄ ̄ ̄ ~(_( ∧ ∧_( ∧ ∧_( ∧ ∧ は~い、先生。 ~(_( )~(_( )~(_ ( ) ~(___ノ ~(___ノ ~(___ノ 過去ログ ククール×ゼシカでカプばな~ 【カリスマ】ククール×ゼシカ2【お色気】 【ハニー】ククール×ゼシカ 3【……バカ!】 【君を守るよ】ククール×ゼシカ 4【はいはい】 【みわくの眼差し】ククール×ゼシカ 5【愛のムチ】 【復活】ククール×ゼシカを推すスレ ククール×ゼシカを推すスレPart6 【水風船】ククール×ゼシカ8【うぬぼれ屋さん】 【落ち込むなよ】ククール×ゼシカ9【うん…】 【ブラコン】ククール×ゼシカ10【カップル】 【不良騎士】ククール×ゼシカ11【強気お嬢】... 【ハニー】ククール×ゼシカ12【バニー】... 【魅惑の青】ククール×ゼシカ13【情熱の赤】... 過去ログ全て見れるようになりました。 (携帯の方は1~5のログは閲覧できません。) サイト名 URL 管理人へのご意見・ご要望はこちらからお願いいたします。 - - -
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652 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/13(水) 19 10 52 ID lvbykkkH0 ここまでイっときながら、EDではくっつかない どころかククは他の女を引き連れて…何かが…何かがあったんだわーー!! ………と妄想するのが楽しくて仕方ないわけで 実際後半のククゼシってなんとなくいつも自然に一緒にいたんじゃないかにゃー 653 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/13(水) 20 00 56 ID 02WNJ7Ve0 後半なんて最初ククを毛嫌いしていたゼシカが 差し出されたククの手を自然に取るし ゲモン戦でもククがナチュラルにゼシカを庇うし、 マルチェロ戦の後はゼシカが心配そうな顔してククに駆け寄るし ムービーとかではいつも隣とか近くにいるし……… だけどククは最後他の女連れてにやにやしていて ゼシカはなんかヤキモチ妬いているっぽくて…… なんか色々ありそうでたまらんこの二人www 654 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/13(水) 23 09 43 ID LbJ6OXR60 多分端から見たら両思いなんだけど本人達だけ気づいていない あるいはクク辺りは気づいていても相手のためを思って 自分なんかは相応しくないと自ら離れようとする。 そんな感じに見えてならないエンディング付近の2人。 ククゼシフィルター常に全開 655 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/14(木) 01 40 31 ID xXyAcJ7l0 ククのゼシカにやきもち妬かせちゃえ大作戦!…とかはないよねw 656 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/14(木) 13 25 39 ID Wwopxiu3O 655 自分はそれもアリだ。 そんでメラくらうクク…ってどMじゃね? 自分は相応しくないからとゼシカから離れようとする自虐的?なククも ヤキモチやかせたいナーなんてお調子者なククもイイ。 ククゼシに関しては節操なしだわ 657 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/14(木) 14 51 18 ID jrRLSapS0 ①ゼシカのためを思い身を引くため敢て嫌われるような行動を取るクク ②ゼシカにヤキモチ妬いてほしいな~なんて感じのお調子者クク ③ゼシカの気持ちが本当に自分にあるのか確かめようとする不安の塊クク どれもあり! ククゼシだったらどんなパターンでも萌えられるw 658 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/14(木) 15 00 42 ID 198/Z7/B0 4・ただ単に「王族の結婚式見たいから連れてって」と頼まれたので、連れてきただけのクク も追加希望。 これは、ゼシカが自分を好きだなんて夢にも思わず、まさかヤキモチやかれるなんて 想像の範囲外で、なぜゼシカが怒ってるのか、わからないってことで。 ゼシカ相手になると、激ニブになってくれるククが好みなもんで。 659 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/14(木) 21 45 39 ID sJTv4SHY0 ①~④の全部有り ④のにぶーいククもいいなw 別の選択として、ゼシカが自分の事を好きという事に気づいていないククの他に そもそも自分自身の恋心すらはっきり自覚していない激にぶククとかも好きだw 660 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/14(木) 23 40 35 ID YKDyr/1U0 さらにそれに輪をかけて自分がヤキモチやいてることにカケラたりとも気付いてない 激・激にぶちんなゼシカww 「何怒ってんだよ?!」 「怒ってなんかないわよ!!」←メラ 「どう見ても怒ってるだろーがッ」←よける 「アンタなんか最低よククールのバカ大っキライッッ!!!!!!」←逃げる 「ちょ、待……… …………………………………………ってお前モシカシテ妬いてんのか!?!?」←追いかける このあとの展開はそれはもうアナタ… 661 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/14(木) 23 57 42 ID r/OvRDVXO 660 ニブカプなククゼシもいける! もう気付くの遅いってククールw(・∀・)ニヤニヤ この後ククールがゼシカの腕を思いっきり掴んで引っ張りそのまま抱き締めて こっ恥ずかしい告白大会とかを繰り広げるのかなw 662 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/15(金) 04 17 27 ID MxKV9Od70 660 まさにそんな感じなんだろう、EDは 主人公視点でストーリーが進んでいたから その辺りやその後の様子はカットされてしまっただけで、 主人公がミーティアといい感じになっている裏で ククゼシの二人はそんなやり取りをしていたに違いない 663 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/15(金) 21 39 47 ID j3klemm+0 くっつきそうでくっつかないカプの王道を行く2人だけど やっぱ最終的にはきっちりくっついて欲しいねw 勿論くっついた後の展開も色々あるんだろうけど 664 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/15(金) 22 48 23 ID ke8dMIjEO 660 ククはここではっきり自覚したんだろうけど ゼシカは相変わらず自分の気持ちに気付いてなさそうだから この後一悶着ありそうw 665 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/16(土) 01 00 16 ID DGdumU6T0 「うぬぼれないでよッッッ!!!!!!!!!!!」 ってやつっスねw うわーハゲ萌えるー 666 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/16(土) 02 58 43 ID /o/OgG5N0 じたばた抵抗するゼシカをそのままぎゅーっときつく抱きしめてくれ>クク 最初は暴れていたゼシカがだんだんに大人しくなってきたら 「ゼシカが妬いてくれるなんて思ってもみなかった」とぽつりと呟いたりして 「なっ…別に妬いてないわよ!」と否定するゼシカを無視し ひたすら「嬉しいなあ」「漸くゼシカも俺に落ちてくれたか」とか肯定し続けて ゼシカ本人も自分の気持ちを認めざるを得ない状況に追い込んでいって欲しいw でもゼシカならどんなに追い込まれてもきっとやられっぱなしじゃない… 667 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/16(土) 08 18 23 ID nG14sboM0 ひたすら「嬉しいなあ」「漸くゼシカも俺に落ちてくれたか」とか肯定し続けて 幸せそうなククを想像すると、萌え和む。 ゼシカがどんなに抵抗しても、絶対敵わない腕力差と、ククールの腕の中に すっぽり入ってしまう体格差が、もうたまらん。 ゼシカが戦士や武闘家タイプじゃなくて、本当に良かったw 668 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/16(土) 16 32 15 ID ZcUNPaXJO ククは普段の気取ったような表情とか作れずに、 本当に幸せ全開といった感じのニヤ~~~って顔で ゼシカを腕の中に閉じ込めているんだろうな 669 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/16(土) 21 15 27 ID r8Pz6KPA0 667 ちょうどすっぽり収まる感じがねww こりゃあゼシカはククに抱きしめられる為に生まれてきたに違いないな 670 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/17(日) 02 12 53 ID nHc09JyB0 660 追いかけっこして あーだこーだして 口論の末ゼシカが 「だから、アンタが好きだって言ってんのよー!!!!」←メラゾーマ 「…ッうおおおおおお!!??」←直撃 「きゅう」 「…あっ、ククール!起きなさいよちょっと!返事してよ!」←ゆさゆさ 「「「………………」」」 そして661ということになるわけだな。脳内補完できた。 この後ククールがゼシカの腕を思いっきり掴んで引っ張りそのまま抱き締めて こっ恥ずかしい告白大会とかを繰り広げるのかなw 671 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/17(日) 16 38 34 ID 2YylZt820 映画「耳をすませば」ばりの見ていてむず痒くなる 青春告白シーンが思い浮かんだw 672 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/17(日) 18 21 17 ID FOXQFDql0 ククがゼシカを力一杯抱きしめながら 「ゼシカ、大好きだ!」と叫ぶんですね、分かります 673 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/17(日) 20 10 51 ID kObudaZqO いいね。あー青春ククゼシ漫画読みたい! 674 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/17(日) 21 47 31 ID en1pVQe00 テレビを見ていたら、とある俳優がとあるアイドルに惚れてなんとか口説き落とそうとし、 一方アイドルの方は(俳優のくせにちゃらちゃらした男!)と 印象最悪だったというエピソードをやっていてついククゼシに重ねて考えてしまったw その俳優とアイドルがドラマ撮影でキスシーンを演る事になり、 キスをした瞬間俳優の方が(やっぱ俺この人のことが好きだ!)と強く思って 演技と現実がごっちゃになり、唇が触れたらすぐ離れるという場面なのに 思わず30秒以上キスしたままだったとか。 後にその俳優とアイドルは結婚したらしいんだけど ずっとククゼシで脳内変換して見てしまったw 675 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/17(日) 23 17 52 ID FLiCr+KXO 最初はちゃらついてて最悪な奴と思っていたのにいつしか恋に…というのは萌えパターンの王道w ククゼシは王道を行く萌えカプだと思います 676 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/17(日) 23 28 23 ID wDNbQn/T0 669 2行目自重しろwwww 腕の中にすっぽり捕らえた状態で 「アンタなんかキライだって言ってるでしょ!!!!」 「うんうん」ニマ~ 「ちょっと!聞いてるの!?」 「聞いてる聞いてる」 「ダイッキライだって言ってるのよ!!」 「わかってるわかってる」 「わかってるなら離しなさいよ~!!!!」 もはやゼシカからの「キライ」が「スキ」にしか聞こえない幸せククールさん やべぇこのネタだけでむこう半年は萌えられる 677 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/17(日) 23 52 40 ID dq8DkI2x0 676 では自分はそのネタで1年は萌えさせてもらおうかw ゼシカはゼシカで離しなさい!とか言いながらも ククの腕の中がどうしようもなく心地良く感じられてしまって 言葉とは裏腹にあまり抵抗できずにいたりしてね。 幸せ絶頂なククさんと、心臓が爆発しそうなくらいに ドキドキいっているゼシさんみたいな感じでお願いしますw 678 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/18(月) 18 48 21 ID EUjF9YAo0 クク本当に幸せ何だろうなーって感じでいいw それにしてもゼシカって抱き心地良さそうだよね 巨乳だしwもち肌なイメージがある ちょうど自分の中にすっぽり納まる感じもあって まさに極上の抱き心地を堪能するククル・・・ 679 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/18(月) 21 05 27 ID Wg562bSv0 676から萌え頂きました やっつけですが ttp //www6.uploader.jp/user/tttupttt/images/tttupttt_uljp00013.png 680 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2008/08/18(月) 23 07 08 ID 15a9Ti1G0 679 GJ! なんか告白シーンまで素直になれない感じが可愛いw ゼシカってかなりはっきりした素直な性格していると思うんだけど ククールに対して限定でツンデレっぽくなるのがいいww 逆に普段からツンデレっぽい感じのククールが ゼシカに対してたまにすごーーーく素直になったりするのも萌える
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「……にが」 一口目の率直な感想をこぼしたゼシカを見て、ククールが微かに笑う。 「これは普通のビールよりキツいからな。ゆっくり飲むといいぜ」 「それにしても、修道院でビールを作っていたなんて知らなかったわ」 「宣伝してるわけじゃないし、今までここにも修道院にも長居はしなかったしな」 特に誰かさんは長居をしたくなかったようだし?と付け加えながら、ククールは意地悪く笑う。 「もぉ!それはククールも同じでしょ?」 「オレは修道院はともかく、ここならいくらでも居られるぜ?」 そう言うククールの表情からは、ベルガラックで見られた蔭はすっかり態を潜めていた。 「修道院で作られてるのはビールだけじゃないんですよ」 そう言いながらマスターは一皿を二人の前に置いた。 「これも修道院から仕入れてるものでしてね。チーズとバター。バターの方は店でレーズンバターにしてるんだけど」 「あー、頼もうと思ってたら先越されちまった」 悔しがるククールに、したり顔のマスターは続けた。 「これは私から奢り。こんなご時世だから、ククールぼっちゃんが素敵なお嬢さんを連れて久々に来てくれたのが嬉しくてね」 マスターの言葉を聞いたゼシカは頬を染め、再びぼっちゃんと呼ばれてしまったククールは思わずむせ返る。 「だ……だいじょぶ?」 「ぼっちゃんは勘弁って、さっき言っただろ……」 息も絶え絶えにマスターに抗議をするククールは、気の毒というよりはどこか滑稽に映る。 そんなククールの様子を見て、ゼシカは遠慮なしに笑う。 「あら、私だってリーザス村やポルトリンクではお嬢様って呼ばれるわ。兄さんだってずっとサーベルトぼっちゃんって呼ばれてたし。そういう場所があるって、いいことだと思うけどな」 「お嬢さんの言う通りだと思うよ。あとは私の口癖だね。今更、ククールさん、とは呼び辛いし」 「分かったよ……。ゼシカにもマスターにも叶わねぇな」 そう言うククールの表情は、苦笑しながらもどことなく心地よさの漂う風情だった。 「そんなことより、な?チーズとレーズンバター」 ククールはどうにも話題を逸らしたいようで、出された皿をつい、とゼシカの方に移動させる。 少し酔いが回ったのか、ゼシカはチーズを口にしながら唐突にクスクスと笑い始めた。 「美味いと笑うのかよ?ゼシカは」 「ううん、そうじゃないけど。あ、マスターご馳走さま。美味しいです」 「どういたしまして。ごゆっくりどうぞ」 笑顔で応じたマスターは、軽く会釈をすると他の客の注文をこなすために二人の前から離れていった。 「チーズを見ると、どうしてもトーポを思い出しちゃって」 「なるほど、そういうことか。ひとかけら持って帰ってやってみるか」 「それ、いいわね。でも食べたら何か吐くかしら?」 何気ないククールの言葉に、ゼシカは楽しげに同意をする。 「マイエラのチーズだからなぁ。……ダジャレを吐いたりしそうだよな」 「やだっ!ほんとにそんな気がしてきたわ」 意図的に真顔になったククールの言葉は、再びゼシカを笑いの渦に巻き込んだ。 二人は杯を重ね、それぞれ程良い心地に酔っていた。 チーズとレーズンバターに代わって、二人の前には皮のまま丸ごとオーブンで焼かれたイモが出されていた。 ゼシカはパリパリになったイモの皮を器用にナイフとフォークを使って剥がし、小さなココット皿に入れられたバターを一口サイズに切り分けたイモの上に乗せる。 「はい、できたわよ」 「サンキュ」 ゼシカが皿をククールの側に置き直すと、ククールは待ってましたとばかりにイモを手元の皿に取り分ける。 ベルガラックでは少ししか食べることがなかったククールは、どうやら今頃になって食欲が出てきたらしい。 ゼシカもその皿からひとかけらのイモを取り分け、口に運ぶ。 「レーズンバターも美味しかったけど、普通のバターも美味しいわね」 「当然だろ?」 そう言いながらにやりと笑うククールは得意げだ。 なんだかんだで自分の出身地のことを褒められるのは、悪い気はしないらしい。 「このバターもチーズもビールも、たまらなく好きなんだよな」 「うん、分かるわ。だってこんなに美味しいんだもの」 ぽつりとこぼされたククールの言葉に、ゼシカはニコニコしながら素直に頷く。 「もちろん美味いってのもあるけどな。同じ理由で酒場も好きなんだ」 「酒場って、ここだけじゃなくて?」 「そ。マスターも、そこで働く女の子も、全部ひっくるめてな」 そこで働く女の子、という言葉が少々引っかかったが、ククールの口調からは真面目な雰囲気が漂っていたので、ゼシカはそのまま話を聞くことにした。 「酒場ってところはさ。貧乏人でも金持ちでも、同じ金を払えば同じ分だけ満たされることができる場所だと思ってる。だからオレは、そこで働く人たちが好きなんだ」 滔々と語るククールを見て、ゼシカは目から鱗が落ちる思いがした。 今まで、ククールは単に酔っぱらいながら女の子と戯れているだけだと思っていたからだ。 過去に何度となくククールがこぼしていた、教会は金持ちしか救わないという批判と、修道院時代に自らに課せられたという、金持ちから寄付金を集めて廻る日々の話。 生きるために取らざるを得なかった自らの行動に疑問を抱きながら、ククールが自身の安息を求め行き着いた場所が、教会とは対極にある酒場だったのだろう。 「バターもチーズも、それと同じなの?」 「ああ、大雑把なイメージはな。そのまま食べても料理やお菓子に使っても、誰が食べても美味いだろ?」 「うん、そうね」 「美味いものを食べると、大人も子供も、誰でも幸せな気分になれるからな」 「あ!!そうよね。それってステキなことね……」 ゼシカはククールをまじまじと見つめながら思う。 この派手で気障な外見からは想像もつかないが、ククールには聖職者たりうる素質が十二分にあったのだと。 そしてその思想と解釈は、世にいる数多の聖職者の中で誰よりも純粋で、それでいて柔軟で、きっとどんな人の心をも満たすことができるのだろう、と。 もっとも、当のククール自身はそれに気付いていないような気もしたのだが。 「ん?オレの顔に何か付いてるか?」 視線に気付いたククールがゼシカに問う。 「別に何も?しいて言えば、口許にビールの泡がほんのちょっとかな」 微笑みながらそう言うゼシカの心もまた、気付かぬうちに満たされているのだった。 「……正直、院長が替わってからは、この味も変わっちまったんじゃないかって心配してたんだが。変わってなくて安心したぜ」 何杯目かのグラスを空にしたククールは、ふぅ、と息をつきながら呟く。 「この味が変わったら、うちの店は多分商売あがったりになっちゃうわよ」 カウンター奥の厨房から二人の前に小瓶を持ったバニーが現れ、ククールの言葉に相槌を打つ。 「はい、お待たせしました、ゼシカさん」 「ありがとう」 ゼシカは礼を言うと、小瓶を預けたときに相談していたらしい対価をバニーに渡し、嬉しそうに小瓶を受け取った。 「これで明日の朝は美味しいお茶が飲めるわ」 そう言いながらゼシカは席を立った。 ククールの気持ちもある程度は和らいだであろうし、明日決戦になるかは分からなかったが、それに臨む態勢は整えておかなければならないからだ。 見るとククールは若干名残惜しそうにしていたが、やがてマスターに勘定を頼むとゼシカに続いて席を立つ。 「また来てね、ゼシカさん、ククール」 「ああ。終末半額フェアーが終わったらな」 「うふふ、終わるといいんだけどね」 二人にかかるその言葉の重さを知る由もないバニーは、いつものように妖艶に微笑んだ。 酒場を後にした二人を、火照った身体にちょうど心地のよい夜風が包む。 「涼しくて気持ちいいわね」 ゼシカは一足先に階段を下りると、そう言って伸びをした。 「ね、ククール、少し……」 散歩してから帰ろうか、と、振り向きながら言おうとしたゼシカの言葉は、思わぬククールの行動に遮られてしまった。 ククールが片腕をゼシカの肩に回し、反対側の肩に顎を乗せる状態でその身体を預けてきたのだ。 ちょうどゼシカがククールに肩を貸しているような体勢になってしまっている。 「なっ……ちょ、ちょっとククール!どうしたのよ?」 振り向くことの叶わなかったゼシカは、その視線だけをククールの方に向けた。 顔をそちらに向けることも出来ただろうが、ゼシカにはどうしてもそれが出来なかったのだ。 「もしかして、酔っ払いすぎちゃった……とか?」 今しがた夜風で冷まされたはずの身体が酔い以外の何かで再び火照るのを感じながら、ゼシカは辛うじて言葉を絞り出した。 「ああ……恥ずかしながらな。座ってる時はさほどでもなかったんだが」 ククールはそう言うと顔をゼシカとは反対側に向けてから大きく息を吸い込み、ゆっくりと吐き出す。 その動作の一部始終を背中で感じることは、ゼシカには刺激が強すぎた。 このような状態になった酔っ払いを介抱した経験がないことも相俟って、ゼシカはどうすれば良いか分からないままにククールの様子を観察する。 やがてククールはゆっくりと顔をゼシカの側に向けると、空いた側の手で前方を指差しながらこう言った。 「今はルーラできそうもねぇや。わりぃけど、宿屋で少し休ませてくれないか?」 ククールに他意は無かった。 以前に酔った状態でルーラを唱えて失敗したことを思い出し、万が一にもゼシカに怪我をさせるわけにはいかない、と、強烈な睡魔に襲われる中でただそれだけを考えての提案だったのだ。 しかし、そんなことを耳元で吐息混じりに言われたゼシカはたまったものではない。 一瞬にして頭の中が真っ白になってしまった。 宿屋で休む、ということは、つまりいわゆる……。 ククールに寄り掛かられ固まったままの姿勢でゼシカは頭の中の真っ白な霧を必死に振り払い、もの凄い勢いであれこれと考えを巡らせる。 酔った勢いで云々……という定番の話は耳にしたことがある。 もしやククールのこの行動は、自分を誘うための手の込んだ演技ではなかろうか? しかし純粋に辛そうにも見受けられるので、この懸念は取り越し苦労かもしれない。 ここまで酔った姿は見たことがないし、大体ククールはいつも何かにつけては口説き文句を口走るので、たとえしらふだったとしてもその正否を見極めること自体が難しい。 今の状態でベッドに放り込めばそのまま寝てしまうかもしれない。 しかし仮に寝たとしても、回復までに一体どのくらいの時間がかかるのかが全く判らない。 起こすタイミングなど皆目見当もつかないし、起きるまで待っていて朝になってしまうのもよろしくない。 それでは自分も休めないし、何より他の仲間たちに朝帰りと思われてしまうことが問題だ。 はっきり言ってそれは嫌すぎる。 「なぁゼシカ、宿屋に……」 固まったままのゼシカの耳元で再度ククールが囁いたのと時を同じくして。 (「メラはだめだよ。ラリホーあたりにしといて」) というエイトの言葉がゼシカの脳裏をよぎり、次の瞬間ゼシカはククールの言葉をかき消すようにラリホーを唱えてしまっていた。 本来味方には効かないとされる呪文だったが、ククールが酔っているせいか、あるいはゼシカの精神力の賜物か、あっさりとククールはその術中に陥った。 (ごめん、ククール。今は……今はやっぱりこうするのが一番いいと思ったの……) 心の中でククールに詫び、その吐息が寝息に変わったことが耳で認められたことでゼシカの緊張もようやく解け、ククールの方を見ることができた。 初めて至近で目の当たりにするククールの安らかな寝顔はまるで天使のようで、起きている時とのあまりのギャップに思わず笑いがこぼれてしまう。 (それなりに楽しんで貰えたようだし、まぁ、これで一応は作戦成功……よね) ゼシカは暫しの間ククールの寝顔を堪能すると、その胸中に安堵と微かな名残惜しさを覚えつつ、腰のポーチからキメラの翼を取り出して満天の星空の中に投じた。 ~ 終 ~ so sweet…前編